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ちえのわthe people who make up “wise ring ”around Ryukinka

Ryukinka-no-sato is a facility in Asagiri Kumamoto.
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リュウキンカの郷の周辺地域では様々な団体で活動する人々がいます。「ちえのわ」はリュウキンカの郷を中心に大きな「知恵の輪」を形成する人々に、インタビューをする企画です。今回は、松尾集落で有害鳥獣対策を行なっている遠山好勝さん(松尾集落 代表)にお話をお聞きしました。

住人9名の松尾集落の人々が守る、
有害鳥獣対策からつながる食への物語。

「イノシシ・サル・シカ等の有害鳥獣から、育ている作物や暮らしている場所を守らないといけない。」そう強く話すのは松尾集落の代表である遠山好勝さん。住人9名が暮らすあさぎり町松尾集落は中山間の集落で、あさぎり町の中心部から車で20分程離れた標高350mに位置する場所です。かつては収穫が皆無となるなど深刻であった鳥獣被害を、遠山さんを中心に集落の人が一丸となり撲滅を実現。山林で捕獲した野生鳥獣であるイノシシ・シカ等のジビエ料理を、生命に感謝を捧げながら命をいただく食育の一環として、リュウキンカの郷とともに動き出しています。

"守りたい"思いから、現状打破

澄んだ青い空に、見晴らしのいい景色。市房山の稜線が背景に美しく霞み、無農薬栽培の茶畑と栗畑が広がる。この集落で生まれ育った遠山さんは、ある現実と深刻に向き合っていました。国内年間被害額200億円、熊本県で約5〜8億円、あさぎり町でも約2000万円程の有害鳥獣被害の実態があります。「このままではいけない。有害鳥獣から暮らしている場所を守りたい」と思い立ち、有害鳥獣対策の専門家から指導を受け、集落の全住民が参加した対策を実現。集落全体でわな猟の狩猟免許取得を推進し、現在は住人9人のうち4人が免許を保有しています。2016年にはその取り組みが評価され、「農林水産大臣賞(団体の部)」を受賞。いまでは、県外から松尾集落の有害鳥獣対策を視察に訪れる団体も多いです。

積み重ねてきたものを、次の世代へ

有害鳥獣対策で積み重ねた経験を、地元にある小学生に特別授業を行なっている遠山さん。「語り部の会」と称して、図やイラストを用いて示しながら、何で有害鳥獣から集落を守らないといけないかなどの想いを伝えています。毎年集落で育てている栗などの収穫期には、地元の子供たちを呼び、ともに収穫祭を実行。また協同取り組み活動として、畑付近に生えた草を、地域に住む人びととともに草刈りも行っています。「みんなで草刈りを行うと、大変なものも会話をしながら作業をするので楽しいです。」遠山さんの思いは、着実と世代を超えて広がっています。

有害鳥獣対策からつながる食への物語

「松尾集落に視察で訪れた人には、毎回リュウキンカの郷を案内していますね。」リュウキンカの郷は、食資源を活かしたまちづくり、人づくり、元気づくりや、食・商・工・観光連携の拠点とした場所でもあります。「地域の拠点であるこの場所と、山林で捕獲した野生鳥獣や収穫を守った食材で繋ぎあい、どのように地域づくりに還元していくか。食育の一環としてリュウキンカの郷の方々とともに、鹿肉を食材とした山菜料理などの試食会をしていますね。」今後の展開を笑顔で語る遠山さん。豊かな資源をもつ松尾集落とともに、これからも地域を盛り上げていく取り組みを行っていきます。

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遠山 好勝松尾集落 代表

1961年生まれ熊本県球磨郡あさぎり町須恵出身。農家の長男で産まれ、1999年に中山間松尾集落代表に就任。中山間地域集落において、野生鳥獣を寄せ付けない集落づくりの取組が評価され、平成27年度「鳥獣被害対策優良活動表彰」農林水産大臣賞(団体の部)を受賞。現在、県内外より有害鳥獣被害対策研修を松尾集落で開催している。

熊本県球磨郡あさぎり町から「食」の魅力を発信する交流施設